起業活動が進まないジレンマ
時間なし副業家専門 ITブレイン 林宏保です。
関東で、なんと6月中に梅雨明けしましたね。(書いたのは2018年です)
観測史上初ということらしいですが、私の50年近い人生の中でも、こんなに早く梅雨明けしたのは初めてです。
ジョギングを習慣にしてから、週に3回程度は早朝に走るようにしているのですが、この季節は「雨降っているから今日はやめとこう」なんて言い訳もできました(笑)
それもできないな〜。なんて考えると、いいのか、悪いのか、よくわかりません(笑)
サラリーマンしながらのWeb集客でも、地道な活動が多いので、「今日は会社の仕事が忙しかったから、Web集客はお休みしよう」なんて言い訳していないですか?
いや、私はしてましたよ(笑)
今回は、サラリーマン時代に、Web集客というよりも「起業」活動そのものが進まなかったときのお話を、その原因と対策を含めてお伝えします。
今サラリーマンだけど、副業から始めてゆくゆくは独立したい、と考えているけど、なかなか思うように起業活動が進まない、という方のご参考になればと思います。
サラリーマンから起業を志す
私は、大学を卒業して、とある外資系IT企業に就職した瞬間から、
- 自分の時間は「会社のために使うもの」
- 自分の人生は「会社で出世するためにある」
と信じて疑っていませんでした。
今思えば恐ろしいですね(笑)
30代前半でラインマネージャ(管理職)になってから、虫垂炎で入院するまで、深夜残業/休日出勤などで心身ともに文字通りすり減らしながら生きてきました。
でも、それが当時の自分にとっての「唯一の道」だったので、疑いはありませんでした。
入院までの経緯はここでは割愛しますが、倒れて初めて「会社ではなく自分と家族のために」自分の時間を使おうと思ったのです。
そのための手段として選んだのが「起業」。
「もうサラリーマンはやめたい」
これがキッカケであり、当時の私の目標、ゴールでした。
だけど、どうせ起業するなら「自分のやりたいこと」で。これも当時の自己啓発本の決まり文句でした。
「自分のやりたいことで起業するぞ〜!」
とワクワクしていたことを、今でも思い出します。
もしあなたが、当時の私と同様に「サラリーマンをやめる」ことをゴールとして副業活動しているなら・・・
これから続く私の記事がお役に立てるはずです。
サラリーマンの「時間がない」メカニズム
とはいえ、サラリーマンとして会社の仕事をしながら起業の準備をするわけですから、「時間がない」のは一見「当たり前」のことのように思えます。
でもあなたは本当に会社の仕事が忙しくて「時間がない」と言い切れますか?
ここで時間の使い方について考えてみたいと思います。
あなたはコヴィー博士の『7つの習慣』を読んだことはありますか?
独立しようと決めた後に、この本を読んだ私はえらく感動したことを覚えています。
その中で人の時間の使い方を、「重要度」と「緊急性」の2つの軸で4つの領域に区切る話があります。
- 第1領域は「重要かつ緊急」
- 第2領域は「重要かつ緊急ではない」
- 第3領域は「重要ではなく緊急」
- 第4領域は「重要でなく緊急でもない」
将来に備えて「第2領域」の時間を大きくとろう!というのが、この部分の要旨だったと記憶しています。
これに従うと「時間がない」サラリーマンの時間配分は、一般的には次のようになっていると考えられます。
ただし・・・
私自身のモーレツ社員時代の経験からすると、「時間がない」サラリーマンの本当の時間の使い方は、実はこうではありません。
こんな感じです。
自分の時間の枠をはみ出してしまっています。。。
これはどういうことかというと、睡眠時間を削って、第4領域の時間を確保していたんですね。
第1領域が大きいということは、日々、重要度が高く、責任の重い仕事で緊張を強いられ、神経の休むヒマがありません。
この神経の緊張を和らげるため、ココロのバランスを取るために、第1領域の大きさに比例して第4領域が大きくなります。
「重要でなく緊急でもない」けど必要なこと
第4領域って例えばどんなことがあるでしょうか?過去の私の例ですと、
- 喫煙(1日1箱(20本)以上)
- 暴飲(深夜によく飲みに、家も入れると毎晩飲んでました)
- 暴食(ラーメン、焼き肉、スイーツ・・・)
- ビデオ/DVD(24とかプリズン・ブレイクなど、シリーズもの)
- ネットサーフィン
- スマホのゲーム
常にではないですが、こんなことも。
- 大型連休中のマイカー旅行(渋滞するってわかっているのに・・・)
- クルマ(意味もなく、第三京浜を飛ばしていました・・・)
- 夏休みの遠距離旅行(よくハイシーズンに沖縄に行ってました)
「時間がない」なら、ここにある第4領域は、どれも削って問題ないはず。でも削れない。
逆に睡眠時間を削ってでも確保しようとする。
第4領域でバランスを取らないと、ココロがおかしくなってしまうからです。
時間を作るには「第1領域」を小さくする
ということで副業/起業という「第2領域」の時間を取るためには、第4領域よりも先に第1領域を減らしてあげる必要があるのです。
私も第1領域を削ることに着手しました。具体的には会社での出世をあきらめたのです。
- 言われたことは確実にやるけど、それ以上のことはやらない。
- 会社でのお付き合いは必要最低限にする。
- ダラダラ残業しないで定時に帰る。
自分の中でそう誓うだけです。
すると対応する第4領域も減らすことができて、その分、第2領域に時間を投資することができるようになるはずなんですが・・・
実はそんなに単純な話でもないのです。
起業活動の時間の内訳
私はハードワークで入院したのをキッカケに、会社での出世をあきらめ、起業を志しました。
「よし!自分の好きなことで起業するぞ!」
と思ったらテンションが上がるんですよ。これが(笑)
そうすると、第2領域である「学ぶ時間」が本当に楽しくなるんです。
第2領域の『学び』と『行動』
もともと勉強するのが苦ではない性格なので、たくさんの自己啓発セミナーや起業セミナーにお金を投入していきました。
学んでいる、吸収している時間が楽しい。
そう思ったものです。
そしてどのセミナーに行っても最後に
「行動が大事」「さあ行動しましょう」
と学ぶのですが。。。
ここで壁が現われるんです。
学ぶのは受け身なので準備がなくてもなんとかなるのですが、「行動」は主体性が大事。
もちろん初めてのことばかりなので、やってもうまくいくことの方が少ない。
人間は「不快」を避けて「快」に流れる生き物ですから、一人でやっていると、第2領域の時間の使い方が
学び:行動 = 8:2 or 9:1
くらいになります。
満足感はあるけど成果が出ない
という状態におちいっていくわけです。
第1領域を減らして第2領域を増やしても・・・
まず第一歩として
第1領域=重要かつ緊急の時間
を減らしました。
それに伴い、ココロのバランスを取るために必要だった第4領域も減らし、
第2領域である、重要かつ緊急ではない「起業活動」
に時間当てる。理想としては、こんなイメージ。
ところが、なぜか第4領域が減らないんです。本当は減らしても問題ないはずなのに。
こんな感じです。
第4領域が減らない本当の理由は・・・
ついつい缶ビールをプシュっとしてしまうメカニズム
第1領域だけでなく、第4領域の使い方も「刷り込まれている」
第4領域の時間は、脳に「快」の感覚を与えます。
この快の感覚は、どれも中毒性があり「習慣化」してしまうのです。
私も、20年超のサラリーマン生活により
「いつも大変なんだから、これくらいやっても大丈夫だろう。というか、やらなきゃソン!」
と思っていました(苦)。
起業活動を始めるにあたり、第1領域を減らしたので、上記のような第4領域に属する行動を、衝動的に激しくやることはなくなったと思います。
でも、緊張を強いる第1領域が減って、かつ第4領域をあまり減らさないことで、相対的に「快」「心地よい」と感じる時間が増えるようになります。
すると、
自分はこれだけ楽しんでいる!充実している!
と感じる余裕もでき、周りにアピールしたくなります。
私も、フェイスブックやインスタグラムに、キンキンに冷えたビールジョッキや、行列のできるラーメン屋で食べる一杯の写真を、一生懸命、載せていました(汗)。
この状態、中途半端だけど「心地よい」
この段階にいたるまで、私のココロの中では、次のように感じていました。
副業/起業して、いつか「サラリーマンをやめる」と決めている。
そのために第1領域を意図的に減らして、第2領域である「起業活動」に時間を使う。
ただいきなり稼げるようになるわけではないから、学ぶ満足感はあるけど、結果はなかなか出ない。
まあ、今日はこんなところでいいか。
と缶ビールを「プシュッ」とする。
ん~、至福。。。。
ところで、
副業で稼げているわけではないけど、本業もあるから、当面、お金で困っているわけでもない。
もう出世することはないと思うけど、キツい仕事は意図的にしないようにしているから精神的にも少しずつ余裕が出てきている。
あれ・・・?
この状態、とても中途半端だけど、これはこれでなんかとっても「心地よく」感じるな??
この状態ではダメなんだっけ?
なんか、結果の出ない起業活動をずっとがんばるのも大変だしなぁ・・・これ以上がんばる必要あるのかな??
これはこれでありかもしれないな・・・
というか、なぜここから頑張る必要があるの?
ん~。これはマズイです(笑)。
だって、よく考えてみると、
サラリーマンとして出世の見込みはないし、がんばっていないので、景気が悪くなったらすぐにリストラ候補になってもおかしくない。
だけど、起業家としてもほとんど成果をあげられていない。
サラリーマンから起業家へうつるための『過渡期』と言われる時期です。
過渡期は、あり方を変えるための「ステップ」ですので、そこに長くとどまることはできません。
このままの状態でよいわけがないんです。。。
それでも、この「中途半端 でも 心地よい」状態で、足踏みしてしまう本当の理由があったんです。それは・・・
「プシュ」を手放せない本当の原因
ついつい「プシュ」を手放せない、本当の原因は、ずばり
「ゴール設定が低い」からです。
私が起業を目指した当初、本当の理由、それは・・・
「とにかく、今の状態(サラリーマン)から逃げたい」
でした。
頭の中でいろいろとカッコイイ理由を並べては、起業活動していることを、気のおけない友だちに話してはみたものの、本当の理由はそこだったのです。
その本当の理由を満たすには、「第1領域」が減りさえすればよかったのです。
だから、ビジネスの本質ともいうべき「お客様への価値への提供」に目が向かず、活動しないでいる状態でした(汗)。。。
本気で起業するのに必要なこと
では、本当に起業して独立するなら、何が必要なのか?
高いゴール設定が必要になります。
サラリーマンを卒業した後にどうしたいのか?
自分の選んだビジネステーマを通して、
- 誰に貢献したいのか?
- 誰を幸せにしたいのか?
- どんな社会にしたいのか?
- 対象は家族なのか?地域なのか?国なのか?はたまた世界なのか?
ということを決めておく必要があります。
例えば、
「自分のビジネスである◯◯を通して、日本のサラリーマンを元気にしたい」
ということです。
「いやいや、こんなの絶対ムリでしょ」
ということでもいいんですよ。
実現できるか、できないかが問題ではないのです。
これこそ、自分が「やりたいかどうか」が問題なんです。
でも、それを真顔で人に言ったら、バカにされるかもしれません。
バカにされたら、誰だって落ち込みます。
真剣に考えたことであればあるほど、ショックだし、「やっぱりダメなのかな」と思ってしまいます。
だから自分の胸にだけ、しまっておいて構いません。
高いゴール設定の条件
では何が高いゴールになるのか?
「自分がこうなる」ではなく「誰かを助けること」だと考えてみてください。
つまり、「誰を」「どう」助けたいのか?
人間はどうも、誰かを助けることによって「満足感」や「充実感」「幸せ」を感じるようにできているようです。
私もサラリーマン時代にもっとも充実していたは何だったのか?ということを考えたことがあります。
それは、ご購入いただいたソフトウェアのバグで大きく信頼を失いかけたお客様先に毎日通いつめて、問題を解決し、再発防止の提案をして、最後に「ありがとう」と言ってもらえたときでした。
お客様先に行く道中は本当に足が進みませんでした。
行って何度も怒られて、途方に暮れながら帰ったことは今でも鮮明に覚えています。
ですが「このお客様の問題を解決すること」をとことん突き詰めて考えて行動した結果、さまざまな人の協力を得て、最後には問題を解決できました。
解決できたときはもちろんうれしかったですが、途中、お客様の問題解決を真剣に考えていたときも「夢中」にはなっていました。
今思えば、その瞬間も充実していたのです。
自分のビジネスを通して「誰かを助ける」「誰かの役に立つ」というゴールを持つ。
仕事を通じて、「誰かの役に立つ」ことを実感できれば、あっさりとお金をもらうことにも抵抗がなくなります。
もらった以上の価値を提供しよう!
と考えていれば、お客様は満足できますし、あなた自身も心が満たされます。
そして、「もっといい商品/サービスを提供したい」と思えるようになります。
そのためには・・・
最初はほんの少額でも、とにかく、誰かに商品/サービスをご提供(売る)こと。
売る時点で商品/サービスが全部完成していなくても構いません。
ただ、買っていただいたら、あなたの最高を、キッチリ作り込んでご提供しましょうね。
でも売れたら、本当に真剣になれるから大丈夫です。
そして、お客様からいろいろとフィードバックをもらって、商品やサービスをカイゼンしてみるとよいです。
どんな形であれ、「誰かのお役に立つ」ことを実感できると、
いかにして自分の商品やサービスをよくしようか?
を真剣に考えるための時間(=第2領域)が必要となってくるので、ようやく第4領域をへらすことができるようになります。
「やりたいこと」ではなく「できること」で始める
「誰かのお役にたつ」というのはよくわかった。
だけど、自分が「誰かのお役に立てる」自信がない。
ということで、足踏みしてしまうこともあるかと思います。
実際に私はそうでした。
それをどうクリアしたかというと、
「やりたいこと」ではなく、「できること」から始める
ことです。
でも、せっかく会社をやめて起業するのに「できること」をするの?と思うかもしれません。
それについて説明しますね。
「やりたいこと」がすぐにビジネスにはならない
「やりたいこと」をやって生きよう!
って有名な自己啓発本には書いてあります。
確かに!それだけできたら、どれだけいいだろうなぁ・・・
と思います。
「やりたいこと」がさらに仕事になったら、どれだけ幸せでしょうか?
私もずっと夢見てきました。
でも私、その「やりたいこと」が、なかなか仕事にはなりませんでした。
会社の仕事以外のことで「やりたいこと」を探し、勉強して、それをビジネス・テーマにしようとしたからです。
「やりたいこと」がこれまでやってきた仕事とは関係ない、たとえば趣味であっても、セミプロ級にうまい、など強みがあればよいと思います。
私の場合は、経験もなく、強みもなかったので、正直「プロ」としてお金がもらえるレベルではありませんでした(痛)。
あなたがもし本業がありながら、まったく別の「やりたいこと」で副業/起業しようとしているなら。
「プロ」としてお客様に価値を提供できるレベルにあるか?
という点を、確認してみてくださいね。
「できること」を見直してみる
私が起業を思い立ったときを思い起こすと・・・
「IT全般」については一定のレベル以上のものを持っているとは思っていました。
15年以上、ITセールス・コンサルタントとして仕事をしてきたので。
ただ、会社の仕事の中で経験するトラブルとか、当時の法人系のお客様からの理不尽な要求などを通じて、「IT」自体にマイナスのイメージを持ってしまっていたんですよね。
「やりたいこと」で起業するんだったら、「IT」以外で。
無意識にそう思っていました。
IT=「競合が多い」というイメージもありましたし。
でもね。
それまで仕事としていなかったことをいきなり仕事にするのって、本当に大変なことなんです。
スクールや教材に安くないお金も投資して、資格を取っても、経験がないとなかなかビジネスになりません。
「お客様がつかない」ということもそうですが、「お金をもらう自信がない」ことも大きいです。
そんなとき、何の気なしにですが、起業家仲間にパソコンやWebの使い方でお悩み相談に乗ってあげていました。
自分ではできること、わからなくても調べればすぐできることだったので、苦もなくできたんです。
ん〜。これは副業としてありかもな。
背に腹も変えられないし。。。。
1時間5,000円のカウンセリングとか、1回2時間程度5,000円くらいの勉強会などは、何の抵抗もなく始められたんですね。
そのとき思ったのは、
どんなに低額でも「できること」じゃないと、なかなかお金をいただけない
ということでした。
こうして「できること」でビジネスを作りつつ、第4領域を消していったんです。
取り組むうちに「やりたいこと」が見えてくる
私はこのようにして、ずっと避けてきた「IT」をテーマにしてビジネスに取り組み始めました。
「提供できるサービスに自信はある」ので、ファーストキャッシュをいただくのに抵抗はなかったんです。
こちらはお金をいただいているのに、お客様は喜んでくれます。
お客様から感謝されると、純粋にうれしいもの。
もっと貢献しようと思いました。
そのうちに、普段の仕事の中で何の気なしにやっていた、
「複雑、難しく見えることを、図解とわかりやすいことばで説明する」
ということが、自分でも「好きなこと」で、誰かの役に立てることだ!と確信するようになりました。
「できること」をやってお客様に貢献するうちに、自分では気づけていなかった「やりたいこと」を発見できると気づいたのです。
だから私のオススメは「できることから始める」なんです。
もちろん、その後で「やりたいこと」をやってもいいでしょう。
「できること」×「やりたいこと」の掛け算で何かできないか?
と考えてみると面白いですね。
報酬は「お役立ち」
お客様からいただくお金/報酬は、自分が提供した「価値」への対価です。
自分が提供した価値が、お客様に「お役立ち」できたからこそ、いただけるもの。
サラリーマンが長いと、この「お役立ち」の感覚がよくわからなくなってしまうんですよね。
そして「自分だけ」お金のもうかる「投機」についつい目がいってしまいます。(私がそうでした(苦))
まだ苦手なITで疲弊してるの?
もしあなたが今まさにサラリーマンをしていて、起業活動が進まないことでお悩みなら!
あなたのビジネステーマが
「誰にお役立ちするもの」なのか?
そして、
「自分がお役立ちできるほど自信があるもの」か?
ということを今一度、確認してみましょう。
そして、「できること」で「誰かにお役立ちできること」を、少額でいいから売ってみることを、オススメします。
コメントする